シラバス詳細

タイトル「2025年度シラバス(学部)」、カテゴリ「基礎教育科目-KSU基盤教育-クォーター制カリキュラム」

和文・英文ボタンを押すことで、和文↔英文の切り替えができます。

科目情報

科目コード

0FAB2024

科目名

□文学の世界B

講義名

□文学の世界B

クラス

[004]

学年

1年

キャンパス区分

 

開講学期

前期

開講時期

2Q

曜日・時限

月2

科目種別

科目区分

基礎教育

単位区分

選択

単位数

1

準備事項

備考

実務家教員

講義情報

コンピテンシー/Competency

得た知識や技能を基に自分の考えを組み立て、問題を正しく捉え、課題を考えることができる(問題発見力)

課題や目的に沿って、必要な情報を収集・整理できる(情報収集力)

論理的思考に基づき分析・解析し、適切に表現(記述・口述)できる(論理的思考力)

講義概要/Class Outline

本講義では、欧米文学の研究における文学理論を取り上げる。文学理論とは、主に現代思想(実存主義、構造主義、ポスト構造主義)を用いて文学を読む方法論のことである。アメリカやフランス、日本では、1980年代にポストモダン思想が流行すると、文学批評や絵画、建築といった幅広い学問分野に影響を与えた。この講義ではアメリカのポストモダン作家ポール・オースター(Paul Auster, 1947-)の文学テクストを例に、文学理論を用いた読解可能性について講義を行う。更に、活字メディア(文学、思想)に限定されない、非活字メディア(絵画や映画などの視聴覚メディア)を含む多角的な視野から、文学研究と文学理論を考察する。

講義計画(テーマ及び学習内容) (テキスト)

講義計画(テーマ及び学習内容)

内容

1

文学理論とポスト構造主義①
ジャック・デリダ(Jacques Derrida, 1930-2004)の脱構築(déconstruction)を中心に、ポスト構造主義について講義を行う。

2

文学理論とポスト構造主義②
ポスト構造主義を中心に、エクリチュール(書き言葉)の読みの複数性と階層秩序的二項対立の脱構築について考察する。

3

文学理論とメディア①
エドワード・W・サイード(Edward Wadie Said, 1935-2001)の『オリエンタリズム』(Orientalism, 1978)を中心に、東洋趣味やポストコロニアリズム(Postcolonialism)について講義を行う。また、アメリカのSF映画『ブレード・ランナー』(Blade Runner, 1982)を例に、現代日本の表象(Representation)について考察する。

4

文学理論とメディア②
ジャン=ボードリヤール(Jean Baudrillard, 1929-2007)の「シミュラークル」(Simulacre)論を中心に、視聴覚メディアにおける戦争の表象(Rpresentation)について講義を行う。また、ボードリヤールが影響を与えた、アメリカのSF映画『マトリックス』(The Matrix, 1999)について考察する。

5

アメリカ文学①
アメリカの作家ポール・オースター(Paul Auster, 1947-)の『闇の中の男』(Man in The Dark, 2008)を中心に、アメリカのポストモダン文学について講義を行う。また、SF映画『マトリックス』の影響についても考察する。

6

アメリカ文学②
ポール・オースターの『闇の中の男』で描かれた「もう一つのアメリカ」を中心に、現代思想における「可能世界」論について講義を行う。特に、ジャック・デリダの脱構築における「幽霊」論とスラヴォイ・ジジェク(Slavoj Žižek, 1949-)の「現実界の砂漠」論を補助線にして「可能世界」について考察する。

7

まとめ
これまでの総括を行う。また、レポートについて解説を行う。
また、これまでの授業内容を復習する作文課題に取り組む。

到達目標/Class Goal

①欧米文学や文学理論に関するアカデミックな教養を深めることができる。
②現代アメリカ文学に関する基礎的な知識を得ることができる。
③絵画や映画といった視聴覚メディアを批評的に討議することができる。

準備学習の内容(事前・事後学習)

次回までに、講義で配付したプリントや参考資料を(講義内容を思い出しながら)もう一 度読み直すこと。これは事後学習であると同時に、有意義な事前学習にもなる。 そこで疑問や異論等が浮かんだ場合、遠慮せず、私(担当教員)に質問しに来ること。

評価基準GradingCriteria

「秀 90点から100点」、「優 80点から89点まで」、「良 70点から79点まで」、「可 60点から69点まで」、「不可 59点以下」の基準により、評価する。
レポート(課題)の評価基準は、文学や文化の問題について、その背景を説明し、課題を指摘の上、解決策を具体的に述べることができることとする。

評価方法/Grading Method

レポート(課題):60点
ミニッツペーパー:40点

ルーブリック/Rubric

評価項目

期待を大きく上回る

期待以上である

やや努力を要する

努力を要する

相当の努力を要する

理解度

授業内容を超えた自主的な学修が認められる

授業内容をほぼ100%理解している

到達目標を理解しているが、授業内容の理解に不足がある

到達目標に達していることが認められる

到達目標に達していない

論理的思考力

授業内容に関連する事象・情報を整理して理論的に構造化でき、他者を納得させることができる意見や手順を論理的に展開できる

授業内容に関連する事象・情報を整理して理論的に構造化でき、意見や手順を論理的に展開できる

授業内容に関連する事象・情報を整理して理論的に構造化でき、自分の意見や手順を論理的に展開できる

授業内容に関連する事象・情報を整理し、構造化ができる

授業内容に関連する事象・情報を整理し、構造化ができない

課題解決能力

専門的な知識を実社会での実践に役立てることができる

応用的な課題について専門的な知識を用いて説明できる

専門的な知識について、基本は理解しており、説明できる

専門的な知識の獲得・修得に取り組んでいるが、説明できるレベルではない

専門的な知識に関心がない、またはその獲得・修得に取り組んでいない

調査能力(予習)

自ら進んで予習範囲を超えて調べている

予習範囲を十分に理解し、他人に説明できる

提示した予習範囲の理解にあいまいな点がある

提示された範囲は予習するが、理解が不十分である

指示された範囲の予習が不十分である

受講上の注意/Class Rules

欠席が著しく多い場合は単位を認定できない場合がある。
この授業は基本的に対面授業で実施する。しかし、急遽遠隔授業を実施することになった場合は、Moodle上で通知を出した上で「オンデマンド授業」を行うことがある。

受講制限/Prerequisit

授業科目履修規程に規定する(受講制限)「授業科目(各講義)は、その内容、教室の都合等により、受講資格を限定し、受講人数を制限することがある。」を適用する。

授業アンケート等を踏まえた改善事項

前年度の授業アンケートの結果にもとづき、学生が予習・復習をしやすいように授業中に課題などを明示した上で、分かりやすい授業実施に努める。

関連する科目RelatedClass

アメリカ文学を中心に、日本文学、比較文化、英語、思想、現代文化、歴史、美術、メディアなどの分野との関連を想定している。

教科書/Text

著者名

書名

出版年

出版社名

ISBN

本体価格

授業中にプリントを配布する。

教科書/Text (手配情報)

指定図書/Assigned Books

著者名

書名

出版年

出版社名

ISBN

本体価格

授業中、担当教員より適宜指示する。

指定図書/Assigned Books (手配情報)

参考文献/Bibliography

著者名

書名

出版年

出版社名

ISBN

本体価格

大場健司

1960s 失踪するアメリカ――安部公房とポール・オースターの比較文学的批評

2022-12-12

春風社

9784861108518

ポール・オースター著、柴田元幸訳

写字室の旅/闇の中の男

2022-08-29

新潮社

9784102451182

参考文献/Bibliography (手配情報)